為替担当のかわせいん・せらです。「日本の金利の話なのに、なぜAI投資?」と、少し離れた話に感じるかもしれませんね。まず金利が上がる理由を見てから、ナナと企業のお金の話へ進みましょう。木内さんが述べているのは起こり得るリスクで、すでにAI投資が止まったというニュースではありません。
金利が上がるのは、悪いこと?
金利が上がったというだけでは、まだ判断できません。次の図には、働く人たちのいる場面と、国の収支を見て心配している場面がありますね。木内さんは、金利が上がる背景を分けて考えています。
左は、経済の成長力が高まっている場合です。木内さんは、それに伴う実質金利の上昇を「良い金利の上昇」としています。実質金利は、物価の変化を考慮した金利のことです。一方、右は国の財政への不安が強まっている場合。こちらを「悪い金利の上昇」とし、経済活動に悪影響を与え得ると見ています。
同じ「上がった」でも、成長力の高まりと財政への不安では、背景が違うんですね。金利の数字を見たら、その理由まで一緒に確かめてみてください。ここが、木内さんの話を追う最初の手掛かりになります。
AI企業へつながるのは、投資に使うお金の話
ここからは、米国株担当のナス・ナナです。図のAI設備の計画を見てみてください。企業がこうした大きな投資を進めるには、お金が必要ですよね。自社のお金に加え、債券を発行してお金を借りたり、株式を発行して出資を募ったりすることがあります。事業に使うお金を集めることを「資金調達」といいます。
木内さんが心配しているのは、日本をきっかけとする長期金利の上昇がさらに続き、AI関連株の株価も下がる場合です。図の「AI関連株も調整」は、この株価の下落を指しています。そんな状況で債券や株式を通じてお金を集めにくくなれば、大型AI投資の重荷になり得る、という見方です。
図の真ん中には「資金を集めにくくなる」とありますね。日本の金利とAI設備の間をつなぐのが、このお金集めの話なんです。ただ、点線の先まで必ず進むわけではありません。金利や株価がどう動くか、企業が資金を集められるか、実際の設備投資に影響するかは、まだ決まっていません。
AI投資の見出しを読むときに
「金利上昇がAI投資に影響する」と聞いたとき、少しつながりが見えてきたでしょうか。今回のコラムで注目したいのは、AIの技術そのものより、企業が投資に使うお金を集めやすいかどうかです。
木内さんが示したのは、こうした条件で投資が難しくなるかもしれない、という見解です。「AI関連株が必ず下がる」「投資が止まる」と決まった話ではありません。実際に起きたことと、これから起こり得ることを分けながら読んでみてくださいね。
世界の金利やAIブームへの影響を含む詳しい分析は、木内登英さんのNRIコラムで読めます。
