木内さんの暫定計算では、今回の景気拡大は74か月です。これまで最長だった73か月を上回る長さになります。
図の左には長いカレンダー、右には買い物かごがありますね。カレンダーが表しているのは、景気拡大が続いた期間です。一方、買い物かごで考えたいのは、給料でどれだけの物を買えるか。同じ「景気の話」でも、見ているものが違うんです。
木内さんは、物価高や円安、実質賃金の低下傾向によって、暮らしには厳しさがあると述べています。実質賃金は、給料の額だけでなく物の値段も踏まえた「給料で買える量」のことです。景気拡大が長く続いていても、買える量が増えていなければ、楽になったとは感じにくいのです。
「では、もう戦後最長と決まったの?」という点も分けておきましょう。木内さんは、 9月 7, 2026 に7月分の景気動向指数速報が公表される予定だとしたうえで、一致指数が上昇すると予想しています。一致指数は、景気がいまどう動いているかを見るための数字です。
図にある「予想」は、 9月 4, 2026 時点の木内さんの見通しです。その後に予定されているのが速報の公表で、予想そのものが発表結果ではありません。
さらに、景気局面の正式認定は、研究会での議論などを経て行われます。木内さんによると、認定までには1年以上かかることがあります。速報が出ればすぐ決まる、という流れではないのです。
「最長」という言葉を見たときは、どれだけ続いたかと、暮らしで何を買えるか、そして誰がどの段階で認めた話かを分けてみてください。そうすると、見出しだけでは見えにくい違いがつかめます。
在庫循環の詳しい説明や、外的ショックが重なる場合の分析は、木内登英さんのNRIコラムで確認できます。
