人件費は2.6%増、生産性は1.4%増 米企業のコストはどう見る?
社内確認用 DRAFT | 米国企業・コスト | 2026.09.05
人件費・生産性・単位労働コストの関係を、一つずつ整理する
米労働省労働統計局(BLS)は2026年9月3日、4〜6月期の生産性とコストの改定値を公表しました。農業などを除く事業部門では、1時間当たりの人件費が2.6%増えています。
米国株担当のナス・ナナです。「人件費が増えた」と聞くと、企業の負担が気になりますよね。でも、作れる量も増えていたらどうでしょう。今回は、図のカップ工房を例に、この数字をほどいていきます。
同じ1時間で、カップを何個作れる?
図の工房は、仕組みを考えるための例です。同じ1時間の人件費が増えても、その間に作れるカップの数も増えれば、1個あたりの負担の増え方は和らぎます。この「1時間でどれだけ作れるか」が生産性です。実際の統計には、モノだけでなくサービスも含まれます。
今回、生産性は1.4%上昇しました。人件費の2.6%増と合わせて計算すると、生産1単位あたりの人件費は1.2%増。この数字が「単位労働コスト」です。人件費には給与のほか、企業が負担する福利厚生なども入っています。
なお、BLSは人件費を生産性で割った比率から計算しています。2.6%から1.4%をそのまま引いた、という意味ではありません。図では、同じ時間の「人件費」と「作れる量」を見比べてみてください。
数字の読み方で、もう一つだけ。今回の率はどれも「季節調整済みの前期比年率」です。季節による変動をならし、1〜3月期からの変化が1年間続いたらどうなるかを示しています。前年の4〜6月期との比較ではないので、そこは分けて読んでくださいね。
1.3%から1.2%へ。どこが変わった?
単位労働コストは、速報では1.3%増、今回の改定では1.2%増でした。「数字が下がったなら、コストは減った?」と感じたら、次の図の0%の線を見てください。
棒は二つとも、0%より上にありますよね。コストはどちらも増えています。変わったのは、その増え方。増加幅が0.1ポイント小さく見直された、ということなんです。
米国株のニュースでは、どう読む?
米国株のニュースでは、人件費の増加が企業の利益を圧迫しないか、気になりますよね。そんなときは、生産性も一緒に見てみてください。同じ時間に生み出せる量が増えれば、負担を一部和らげられる可能性があります。
ただ、この統計だけで「この会社の利益が増える」「株価が上がる」とは言えません。米国の事業部門をまとめた数字だからです。個別の企業については、商品がどれくらい売れているか、価格や設備投資がどう変わったかも、別に確かめる必要があります。
ほかの部門や過去の数字も見てみたい方は、BLSの生産性・コスト発表を開いてみてください。
