INSIGHT/ 2026.09.15约2分

時給は増えたのに、買える量は? 米国8月の実質賃金

2026年8月の米国実質賃金データを徹底解説。名目時給は上昇しているものの、インフレ影響により実際の購買力がどう変化したのかを分かりやすくまとめました。労働市場の動向と家計への影響を知りたい方必見の内容です。

時給は増えたのに、買える量は? 米国8月の実質賃金

インフレを担当する、きんのみや・いのりです。米労働統計局(BLS)が2026年9月11日に公表した、8月の実質賃金を見てみましょう。

時給の金額が増えても、その分だけ買い物を増やせるとは限りません。物価も動くからですね。今回の発表では、7月から8月に名目の平均時給が0.3%増えた一方、消費者物価指数(CPI-U)は0.4%上昇しました。

名目はドルで受け取る額、実質は物価の変化を考慮した購買力、つまり「どれだけ買えるか」を見るための数字です。物価の伸びが時給の伸びを上回り、実質平均時給は0.1%低下しました。

図では、物価の棒のほうが高くなっていますね。時給の額面は増えていても、1時間分の賃金で買える量は少し減った、という関係です。ここで扱う数値は、民間非農業部門の全雇用者の平均。7月から8月の前月比で、季節調整済みです。

週給を見ると、もう一つの動きが分かります。週平均の労働時間が0.3%増えたことで、実質平均週給は0.2%上昇しました。

週給には、時給と働いた時間の両方が関わります。実質時給が少し下がっていても、一週間分で見ると増えることがあるのですね。「時給」と「週給」を分けると、一見逆方向の数字も読み解けます。

なお、平均の変化は一人ひとりの給与の変化を表すものではなく、今回の7月・8月の賃金データは暫定値です。対象や詳しい数値は、BLSの表A-1で確認できます。

原典:BLS「Real Earnings — August 2026」(2026年9月11日公表)
https://www.bls.gov/news.release/realer.htm