インフレを担当する、きんのみや・いのりです。米労働統計局(BLS)が2026年9月11日に公表した、8月の実質賃金を見てみましょう。
時給の金額が増えても、その分だけ買い物を増やせるとは限りません。物価も動くからですね。今回の発表では、7月から8月に名目の平均時給が0.3%増えた一方、消費者物価指数(CPI-U)は0.4%上昇しました。
名目はドルで受け取る額、実質は物価の変化を考慮した購買力、つまり「どれだけ買えるか」を見るための数字です。物価の伸びが時給の伸びを上回り、実質平均時給は0.1%低下しました。
図では、物価の棒のほうが高くなっていますね。時給の額面は増えていても、1時間分の賃金で買える量は少し減った、という関係です。ここで扱う数値は、民間非農業部門の全雇用者の平均。7月から8月の前月比で、季節調整済みです。
週給を見ると、もう一つの動きが分かります。週平均の労働時間が0.3%増えたことで、実質平均週給は0.2%上昇しました。
週給には、時給と働いた時間の両方が関わります。実質時給が少し下がっていても、一週間分で見ると増えることがあるのですね。「時給」と「週給」を分けると、一見逆方向の数字も読み解けます。
なお、平均の変化は一人ひとりの給与の変化を表すものではなく、今回の7月・8月の賃金データは暫定値です。対象や詳しい数値は、BLSの表A-1で確認できます。
原典:BLS「Real Earnings — August 2026」(2026年9月11日公表)
https://www.bls.gov/news.release/realer.htm
