為替と中央銀行を担当する、かわせいん・せらです。日本銀行の増一行審議委員が2026年9月10日に福井で行った講演から、物価と金利の見方を二つ紹介します。
「値上がりの勢いが弱まったなら、利上げはもう必要ないのでは?」と思いますよね。増委員は、最近の物価上昇率の低下には、コメ価格の落ち着きに加え、ガソリンの暫定税率廃止などの政策要因もあると説明しています。
図の左にある税制の変更などは、目先の数字を動かす要因です。一方、右側で考えたいのは、一時的な影響を除いたあとも、物価がどのくらい上がり続けるか。この持続的な動きを捉えるのが「基調的な物価上昇率」で、一つの数字だけでは測れません。
増委員は、基調的な上昇率はまだ2%を下回るものの、かなり近いと見ています。金融環境も踏まえ、情勢に応じて利上げを続ける考えを示しました。ただし、その時期やペースは、見通しやリスクを点検しながら検討するとしています。
もう一つ、講演の見解と会合の決定を分けておきましょう。図の左は委員が考えを説明する場、右は金融政策を決める会合です。今回の講演で、新たな利上げが決まったわけではありません。
「何が発表されたか」だけでなく、「誰が、どの場で話したか」も確かめると、ニュースの受け取り方が変わりますね。増委員が物価の動きをどう見ているか、詳しい説明は原典で読めます。
原典:日本銀行・増一行審議委員「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(2026年9月10日、福井講演)
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2026/data/ko260910a1.pdf
図は内容を説明するためのイメージです。
